国内外のサッカー情報を伝える専門雑誌の歴史とは
現在では野球や相撲などと同様、日本国内で知名度の高いスポーツとして知られるサッカーですが、多くの出版社からサッカーに関する情報を掲載した専門雑誌が発売されています。日本国内初のサッカー専門雑誌としては、1966年にベースボール・マガジン社発行のサッカーマガジンが有名です。その後、1971年に日本スポーツ出版社がイレブンを、1979年に日本スポーツ企画出版社がサッカーダイジェストをぞれぞれ発行し、国内、海外、少年の各分野に渡る、サッカーの情報を掲載していました。
発行当時は、サッカーが他のスポーツと比較して知名度が低く、テレビやラジオなどでの放送頻度が少ない関係で、サッカーの情報を入手するための貴重なメディアという位置づけでした。ただ、1992年にJリーグが開幕して、高校サッカーなどを中心にサッカー自体の認知度が広まると、多くのスポーツ系出版社やプロのサッカークラブからもサッカー専門雑誌が発売されるようになりました。同時に、国内のほか海外のサッカーへの人気も高まっていったため、出版社ごとに掲載する分野を特化して、独自性を強めていきました。
しかし、インターネットの普及や2010年代に起こった出版不況により、多くの出版社がサッカー専門雑誌の廃刊を余儀なくされました。1986年から2019年まで学習研究社から発行されたストライカーや、1993年から2006年の間、ビクターエンタテインメントやぴあから発行されていたワールドサッカーグラフィックなどが該当します。豊富な情報量や質の高さから廃刊せずに一定数の売上を確保できている、サッカーマガジンやサッカーダイジェストなどの出版社でも、紙の雑誌販売から電子書籍販売へと移行しています。